海況を楽しむ
『おもろい釣り場じゃ』のページでも言うたけど、下津井沖は潮流が速い上に干満差が大きいね。当然、海底にもいろんな影響を与えて、起伏が激しい上に根の荒い岩礁地帯がありゃ〜砂地もありで、それがまた潮流をより複雑にしとる。ホンマにめんどい(難しい)潮の流れじゃ。そいでも、ある程度の経験を積んで、その潮が読めるようになったら確実に釣れるようになるし、その分、面白さも増してくるね。

潮を読む
そんなじゃけん、ワシはその潮を読みきるために独自の潮時表も作っとるねぇ。普通のと何が違うかいうたら、転流時やら最強時やら流速いうのが様々な海域毎に書いとる。言葉自体、何のことか分からんモンも多かろうけん説明するけど、転流時いうたら潮の流れる方向が変わる時間帯じゃねぇ。普通、潮の流れる方向言うんは、満潮とか干潮までは一定したある方向に流れて、その満干潮を過ぎてから潮の流れる方向も変わるように思うとる人が多いんじゃけど、下津井沖の潮は違うねぇ。その潮によって、よけ〜変わらん時もあるし2時間以上ハヨウ転流するときがあるしで不規則じゃねぇ。

これ、釣りする人にどう関係するかいうと、例えば、朝6時に出航して12時迎えの予定、満潮が10時で転流時が8時じゃった場合、満潮時と転流時が違うことを知らんと、まず満ち潮のポイントに降りてしまう。ほでも、実際の潮流は8時には下げ潮にかわるケースが多い訳じゃから、すぐにエエ潮がスンでしもうたとか、逆に、潮がトンで釣りにならなんだとかいうことになってしまう。そいと、魚いうんは、潮の動き始めや止まる前によう釣れるいうケースも多いから、これが分かりゃ〜便利がええし、実際、大きい魚や枚数も高確率で釣れるようになるね〜がな。

ほいで、最強時と流速じゃけど、こりゃ〜、一番潮の流れがハヨウなる時間帯とその速度のことじゃねぇ。さっきの転流時と併してこの2つが分かりゃ〜後は経験次第で、どの位置からどの方向に流れとった潮が、何時頃止まって、次に、どこの場所からどの方向に流れはじめて、潮目がどの位置に出来て、それがどういう形で変化していくかが簡単に想像できるようになってくるねぇがな。スズキを狙う時やマダイをフカセで狙う時やか〜、特に、これが分からんと勝負にならんで。

G杯での例
ま〜,朝から夕方までいう長時間釣行される人にゃ〜どっかでエエ潮になるケースが多いからそれなりに釣りにはなろうけど、G杯のような競技大会じゃ〜3時間の間に結果をださにゃ〜おえんわけじゃから、潮をよめる人とよめん人の差は歴然としてくる。例えば、平成12年9月5日のG杯を例にあげりゃ〜ウチの潮時表じゃ〜下津井港標準で下の数字になっとる。

満潮03:06(279cm)〜最強時04:25(3.9q/h)〜西転流07:59〜
             干潮09:40(96cm)〜最強時11:12(3.9q/h)〜東転流14:16〜
                              満潮16:19(274cm)…旧暦8日 小潮

で、1回戦が06:00〜09:00、潮のよめん人は下げ潮いっぱいのポイントに入ろうとする。ほいでも、実際の潮流は、下津井−羽佐島間でいや〜満ち返しが1時間あるわけじゃから、潮のよめる人は、最後の1時間に満ち潮が入ってくる本流筋のヨレを釣って釣果を上げる。さらにいや〜潮流の変化を先取りしてポイントを選定する。
で、2回戦が11:00〜14:00、潮の分かる人は満ち潮の最強時から潮止まりまでとよんでやはり本流筋に入ろうとするけど、よめん人は渡礁した時の潮流の速さを見て引かれ潮側に入ろうとする。結果、潮がハヨウ止まってしもうてチヌも食い渋る。
とは言うても、G杯の場合、ほとんどが2人一組で渡礁するから、ジャンケンで負けたら思う所に入れんいうこともあるし、参加者が多いだけに、総てが好ポイントいうわけにもいかん。そのへんは、参加者全員のポイントを決めとるワシとしちゃ〜頭の痛いトコじゃけど、これだきゃ〜しゃあない。ま〜、干満潮の時間だけじゃ〜潮は分からんいうことだけは覚えとって下さい。

高橋 哲也氏語る
余談じゃけど、この間(平成13年5月末頃)、シマノフィールドテスターの高橋哲也さんが来店された時、ウチの潮時表みてビックリしたり感心された後、釣技もさることながら、海そのものを知る事が大切であるという意味のことを言われてたけど、これにゃ〜ワシも同意見じゃ。ほいで、その時、フッと思うたことじゃけど、今、ウチを利用してくれとるお客さんの中でも、この潮時表を実際に使うとる人はごく少数で、ルアーをやっとる人以外は皆無に等しいね。考えてみたら、魚を取り巻く環境の総てである海そのもの、フィールドを知ろうと努力、研究する人が少なく、小手先の技術や他人の釣果にば〜気を取られとる人があまりにも多いように思うね。この潮時表一つとってみても、せっかくお客さんに役だ立てもらおう思うて苦労して作っとんのに、メーカーのテスタークラスにならにゃ〜その利用価値が分かってもらえんのかと思うたら、ワシャ寂しいが。

潮を楽しむ
潮を知ることが釣果アップの総てとは言わん。他にも、竿を出す前に考えにゃならんことは色々あるけどが、より確実に釣るためにゃ〜事前に潮流がどう変化していくんかを予測する事がその大事な要素になるこた〜、ワシも長年渡船屋やっとって断言できるで。
馴れてくりゃ〜、潮を読むのも楽しゅうなってくるし、上手に使いこなしゃ〜釣れる時間や位置までがピンポイント分かるようになってくる。ま〜、日本全国どこに行ってもこないな魚釣用の潮時表はないし、当然、見たこともないじゃろから、こんなん書いとん見ても半信半疑じゃろ〜けど、これゃ〜、元々、ワシがお客さんを案内するのに、プロ用として作ったモンで、ポイント選びの参考ぐらいにはなるじゃろ。ま〜、興味があったら、ウチに来て実際につこうてみて。